FUJIFILM X70を持って札幌一人旅。狸に支配された街で狸にされた人間に思いを馳せた。

FUJIFILM X70を持って札幌一人旅。狸に支配された街で狸にされた人間に思いを馳せた。

2024-08-13
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8月上旬。札幌一人旅。お供はFUJIFILM X70。

女がよく持つ小さなカバンにも、ジーンズの尻ポケットにも入るFUJIFILM X70。大好き。

 

今回は札幌市内で二泊三日、食べたいものも行きたいところもなく、ただ街を散策するだけの一人旅。と言っても札幌近郊に実家があるので、行きなれた街に少し長めに滞在するだけ。一人旅と言うには少しスケールが小さい。

 

ホテルはランプライトブックスホテル札幌

あまりそう見られないけれど、実は本が好きな人間なので、本屋が併設されているホテルに心が踊りまくっていた。

しかも置いてある本はミステリーと旅系がほとんど。人が死んだ理由や犯人を見つけてばかりいる私にとって天国である。京極夏彦コーナーを見つけたときは魂も震えた。

これはスマホ

 

このホテルのすごいところは、「宿泊客には本を2冊まで貸すので部屋で読んでいいですよ〜」のサービスがあるところ。人が死ぬ本を持参していたので、旅に関する海外の短編集を借りて寝る前に読んだ。穏やかに眠れた。

客室の内装も、ホテルの雰囲気も、立地も本当にめちゃくちゃ気に入ったので、次にまた札幌に泊まる時は絶対に使いたい。気に入りすぎてグッズも買っちゃった。うふふ。

久々に群ようこさんのかもめ食堂をチラッと読んで、もっと読みたくなったのでそのうち本屋さんに駆け込む。

 

最高のホテルをあとにして札幌の街へ繰り出した。といっても前述の通り、何の目的もない。本当に気の向くままただ歩いただけ。しかもX70を使わずスマホで適当に撮ったり、動画を撮ったり、はじめての一人旅をどう記録に残そう?と試行錯誤しながらだったから、なんかもう、全然ダメだわ(そっか)

これもスマホ

ホテルを出て左側に3分ほど歩くと、いい感じの古着屋さんを発見した。BIG TIMEというらしい。

この日は確か27度くらいだった。大阪と比べると涼しすぎて、店内も寒く感じるところが多かった。カーディガンが欲しくなったけれど、外は夏。袖がある服を買うのに抵抗があって、かわいいニットとカーディガンがあったもののスルーしてしまった。

札幌はお盆を過ぎるとすぐに秋が来るけれど、大阪に帰ってしまえばまだまだ真夏。秋に袖付きの服を買いに来たい。早く大阪は秋になれ。あんなバカみたいに暑いところに帰りたくない…。

 

狸に支配された街、狸小路。

この狸と目が合った者はもれなく狸にされている、と聞いたことがある。街のいたるところにたぬきのなにかがあったから、狸と目を合わせてしまった元人間なのだろう。

 

この手形も、狸にされた人間による最後の抵抗だと考えられる。「まだ人間でいたい」そんな執念や悲しみ、不条理への憤りを感じる手形だ。

「狸がいっぱいいるね」と見てしまっただけで狸にされるなんて、恐ろしい街である。私も写真を撮るときに目を合わせてしまったかもしれない。ファインダー越しであれば大丈夫だと信じたい。

 

狸にされた人間に思いを馳せながら歩いていると、大通り公園にたどり着いた。

夏祭りをやっていたものの、一人では祭り気分にならなかったのでスルーした。誰かと飲む酒は好きだけど一人で飲むのは少し苦手。酒が好きなくせにすぐ酔っ払うから一人だと寂しくなってしまう。誰かと一緒にワイワイしないと飲めない。

 

一人で酒は飲めないけれど、一人でランチには乗り込めることに気がついた。  

普段、ランチをするならド近所になりがちだけど、近所のお店はブログに書きたくない。家がバレそう。毎日少しだけカロリーを気にして生きているので、一人でのご飯はただのカロリー摂取だと思ってしまう。望まぬカロリーを摂るために1000円も出す意味がわからなかった。

それに、「おいしい店があって」と話す人ももいない。限られたインターネットフレンズに見せびらかすのみ。不特定多数の人が見るインターネットには書けない。

だからこそ、思い出に残り、インターネットにも記録を残せて、カロリーもお金も気にしないでいられる「旅先でちょっと豪華な一人ランチ」はとても楽しめた。

松尾ジンギスカン札幌大通南1条店のジンギスカンランチ。白米がおかわりできて味噌汁とサービスドリンク付き、何グラムかは忘れたけどおいしいジンギスカンで1500円とか1700円とか。

店員さんが、もやし、にんじん、かぼちゃあたりの野菜を鍋にぶち込みながら「くたくたになったら食べてください〜」と説明をしてくれる。我慢できなくてしゃきしゃきのもやしを食べた。おいしかった。

肉を焼き始めてからは、真剣になりすぎて写真が下手くそだったので割愛。

私以外にも一人ランチ勢が3人ほどいた。店内が広くてテーブルごとに区切られていた。こういうみんなでワイワイする系ご飯屋さんに一人で乗り込むとチラチラジロジロ見てくる人がたまにいるけれど、そういう人もおらず、居心地良くのんびりジンギスカンができた。

本当になんなんだろうね、あの目線。哀れみなのか、疑問なのか、会話のネタにされているのか。居心地の良いものではない。たまに牛丼屋でもある。だから外食があまり好きじゃない。

一人ご飯のいいところ。メニューが被ってるから変えようかな〜、一口交換しよう〜みたいな、同行者がいると起きる可能性のある出来事が、絶対に起きない。

自分のペースで肉を焼ける、休憩しながら食べてもいい、写真を撮りながら食べても誰からもなにも言われない。食後の「じゃあ行きますか」まで時間がかかってもいい。

一人ご飯のよくないところ。食べるのが下手でも、助けを求めない限り助けてもらえない。鍋が真っ黒になって焦げ臭くても、正解か不正解かわからない。自分の性格上「こうなるものなんだ」と受け入れてしまった。

自動でおすすめメニューが表示されるタブレットに、「残った汁でシメのうどん!」と画像が出てきたときに、たぶん何かを間違えたんだ、と気がついた。うどんを入れられるくらい汁が残るのが普通らしい。

次回に活かせる失敗だった。

食後の散歩中に変なキャラクターを見つけた。腹筋が12個に割れている。化け物だ。

一人旅のいいところは、こういうちょっと変なものを見つけて写真を撮っても「何撮ってるの?」と聞かれないところ。

写真を撮りたいときって特に何も考えていなくて、ただ「おもしれー」「なにあれー」「なんかきれいー」って感じなので、聞かれても困ってしまうタイプの人間。

もちろん、誰かと「なにあれーww」みたいな会話をするのも楽しいけれど、旅が終わった後で誰かに「こんなのあったよwww」って見せるのも好き。

腹筋が光る順番を覚えて、その通りに押していかないと爆発する系のやつだったらどうしよう。それぞれのボタンが各国の核に繋がっていたらどうしよう。

一番現実的なのは、左上を押したらOBSが開いて、その隣はマイクのミュートかな。すぐに開きたいソフトを登録できるやつだと思う。

めちゃめちゃおいしかったラーメン屋。狸小路の中にある、らーめん吉山商店。980円くらいの焙煎辛みそらーめんを食べた。

辛みそ系って、普通のみそラーメンにちょこんと辛いものが乗せられて、自分で溶きながら食べなさいよ系もある。あまり好ましくない。

だけどここのは、全体がしっかり辛くて最高。辛さレベルも選べたけれど、病み上がりで喉に若干の不安を覚えていたからチキって普通の辛さにした。ちょうどよかった。だけどもう少しいけそうだったので、次は中辛に挑戦したい。おいしい辛いだった。また食べたい。今食べたい。

尚、写真はいつもより下手くそだったので割愛。

 

二泊三日の札幌一人旅、といいながらカメラを持って散歩をしたのが半日くらいだったので、こんな中途半端な感じになっている。お許しください。

今までアイドル現場の遠征がてら一人で動くことはあったけれど、アイドルに会うことなく、一人で来て一人でふらついて一人で寝る旅行ははじめてだった。すごい楽だね。

ホテルまでの道も自分の思うルートで、誰かを案内することなく案内されることもなく。

チェックイン後に本を借りて一旦読んだし、16時くらいにラーメンを食べて17時前にホテルに帰ってきて、シャワーを済ませて20時くらいまで昼寝して、セイコーマートで夜ご飯を済ませた。

朝から全然名物じゃないケーキも食べたし、たまたま予定が合った地元の同級生とおやつと夜ご飯も食べられたし、本当に自由気ままに動けた。

到着してすぐの読書も、変な時間のご飯も、夕方の本気シャワーも、昼寝も、一人だからできたこと。ちょっとハマりそう。次の一人旅はどこに行ってみようかな。