人生に絶望している。というと大げさな気もするけれど、絶望している。期待していない、の方が近いか。
前にも書いたけれど、今の生活はまあまあババアだ。阿佐ヶ谷姉妹の一歩手前まで来ていると思う。高円寺、いや、中野くらいだろうか。中野一人っ子として日々活動(活動?)している。中野一人っ子は毎日楽しく一人で暮らしているけれど、まあまあ寂しい。セルフレジ大好きだから店員さんと話すこともないし、友達も恋愛関係の人間もいない。どんどん独り言が激しく気持ち悪くなっている。この間は一人で壁にぶつかって「痛いでし~」って言葉が出てきちゃって、絶対に社会に出ちゃいけないと改めて心に誓った。
中野一人っ子は、ていねいにくらしている自営業者だ。ギリギリニートではないと信じたい。かっこよく、今風に言えばフリーランス。カタカナにしただけで胡散臭くなるから少しいやなんだけれど、インターネット上でくらい少しかっこつけたい。我が名はフリーランスだ。だれも助けに行く気はない。
フリーランスは体が資本だとよく言う。誰にも雇われていないから、手を動かしたり脳みそを使っていない時間はお金が発生しない。休めば休むだけお金がなくなるのだ。就業時間が存在しないから当たり前だけど、今こうやって文章を書いていても儲けにはならない。なにかしらの奇跡が起きて、1000000000000億PVが毎日発生したら儲けになるだろうけど、そのようなことはたぶん、きっと、メイビー、アマド、起こらない。奇跡は間に合わない。だからこれを読んだ人はコーヒー一杯を我慢して300円くらい寄付してくれてもいい。
フリーランスが体を大切にするには、健康診断に行くことが大切だろう。だけど、会社に属していないのもあって、健康診断に行くハードルがべらぼうに高い。私の検索能力が低いのもあるかもしれないけれど、自費で受けるしかない。会社がお金を出してくれることはない。自分で一から病院を探さないといけない。朝ごはんも食べられない。水も飲めない。めんどくさい。自分を許せない。誰よりも強い君以外は認めない……
でも今年は、約2年ぶりくらいに健康診断に行った。2年前より確実に重たくなった体と軽くなった財布を持って病院へ行った。2万円くらいかかるのに。税金の支払いと重なって死にたくなった。
死にたい気持ちで健康診断に向かう矛盾を感じながら、それでも健康診断を受けようと思ったのは、Netflixで”39歳”という作品を見たからだ。サムネとタイトルを見て、「これは39歳の女性三人が仲良く毎日暮らすはちゃめちゃドタバタコメディーだろう」と勝手に判断して見たのだけれど、間違いだった。
中学生くらいのころから39歳までずっと仲良く過ごしてきた親友3人組が、別れなければならない事態に陥る。別れる理由が、3人のうちの一人がガンを患うから。3人で受けに行った健康診断でガンが判明して、余命宣告があって、死ぬまでどう過ごそうか?親には何て言う?なにを遺す?恋愛は?(←雑なあらすじ)
という話。人生よくわかんないしライフステージも今後変わらないだろうし、すでに飽きてきたから40歳くらいでさっさと死にたいと思っていたんだけれど、この作品を見たらそんなこと言ってらんねえな、に考えが変わった。死ぬなら60歳くらいがええわ。
余命宣告をされたチャニョンを支える親友がいて、恋人…不倫相手…恋人…がいて、親がいて。残り短い人生を誰よりも楽しく過ごして誰よりも楽しく死ぬ、みたいな。かといって世界一周旅行ではっちゃけるのではなく、今ある毎日を大切に楽しく過ごす、地に足のついた余生で。親友たちのそれぞれの生活もあり、親に何をしてあげられるか、不倫の清算、自分の墓の用意もして、現実的すぎる余生。残される側の掘り下げがあまりにも地底。地底まで行ったもんだから、もう本当に毎回毎回泣いてしまった。
毎回泣いたし、残される側の気持ちを知ってしまって、もう私の周りで誰も死ぬな……全員俺が守る……大門未知子になる……のメンタルになってる。でも人はいずれ死ぬ。全員死ぬ。死なない人間はいない。
私が大門先生になってもブラックジャックになっても、ドクターヘリに乗っても、みんな死ぬ。なにかしらの奇跡が起きて死なない人もいるかもしれないけれど、まあみんな死ぬ。みんな死ぬだろうけれど、私より早く死なないでほしい。だから、ちゃんと毎年健康診断に行ってね。もしなにかあったら教えてね。ほぼニートみたいな私が毎日遊ぶし、一緒に墓も選ぶから、DMでいいから連絡してね……。