チ。-地球の運動について- 感想

チ。-地球の運動について- 感想

2024-10-09
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秋。新しいアニメがはじまる季節。

夏は個人的に不作だったからほぼ何も見ない退屈な日々を過ごしていたのだけれど、秋アニメ、素晴らしい。最高。すてき。かっこいい。おもしろい。

その中でも特に個人的に面白くて、これはもう絶対に最後まで見ると決めた「チ。-地球の運動について-」の感想と言うかいろいろを書く。

秋アニメ何見ようかな~~って悩んでいる人は、開始5分でいいから一回見てみてほしい。

 

チ。-地球の運動について-

若き天才作家、魚豊が世に放つ、地動説を証明することに自らの信念と命を懸けた者たちの物語。制作マッドハウス、出演は坂本真綾、津田健次郎、速水奨等。
anime-chi.jp
あらすじ舞台は15世紀のヨーロッパ某国。飛び級で大学への進学を認められた神童・ラファウ。彼は周囲の期待に応え、当時最も重要とされていた神学を専攻すると宣言。が、以前から熱心に打ち込んでいる天文への情熱は捨てられずにいた。ある日、彼はフベルトという謎めいた学者と出会う。異端思想に基づく禁忌に触れたため拷問を受け、投獄されていたというフベルト。彼が研究していたのは、宇宙に関する衝撃的な「ある仮説」だった――
放送日NHK総合テレビにて毎週土曜午後11時45分
サブスクAbema、Netflix
制作株式会社マッドハウス
https://www.madhouse.co.jp/
監督清水健一
原作魚豊
掲載紙ビッグコミックスピリッツ
巻数全8巻(完結)
TVアニメ「チ。 ―地球の運動について―」公式サイトより

 

ガチおもろい。文章を書く人間としてあるまじき一言目だけど、ガチおもろかった。

このままガチおもろかったで終わりたいくらい、ガチおもろかった。

 

開始5分くらい、津田健次郎が爪を剥がしていた時点でもう面白いことが確定した。

 

あまり声優さんには詳しくないけれど、そんな私でもわかる声優さんが津田健次郎だ。なんならわりと好きな方で、津田健次郎が恋愛ドラマに出るから、という理由で数億年ぶりに日本の恋愛ドラマを見たレベルの好きは持っている。

アニメ開始直後に「ツダケンだ!ドラマもやってたのに大変だね!」とワクワクうきうきしたのも束の間。

他人の爪を剥がし始めた。しかも一枚二枚の話ではなく、剥がし終わって生えてきた爪も剥がそうとしていた。残虐な拷問師である。そんなツダケンを目の当たりにして私の爪も怯えていた。撫でておいた。

 

ツダケン(ツダケンではない)は、持ってはいけない思想を持った異端者を拷問して、改心させるか焼き殺すかの仕事をしている。

主人公のラファウは、異端者と出会ったことをきっかけに、持ってはいけない思想に魅入られ、その思想を現実に証明したくなった。

 

持ってはいけない思想、禁忌の思想は、当たり前とされていた天動説をひっくり返すこと。

神様が作った特別な地球が宇宙の真ん中にあり、天体は地球の周りを回っている天動説ではなく、全ての天体が太陽の周りを効率的に合理的に綺麗に回る地動説が正しいと証明したい。

 

世の中の当たり前を覆そうとするラファウと、異端な思想を許さないツダケンの、命を懸けた逃げ隠れ研究証明サバイバルになる……のかな。

 

ラファウは合理的な人間だ。合理的な人間だからこそ、天動説より合理的で美しい地動説に魅入られた。とはいえ、自分の目の前で、地動説を証明しようとした人間が殺されに行くのを目にしている。しかも自分が残してしまったメモが原因で。

その状況で「よっしゃ!俺も地動説を証明すんで!」ってワクワクしはじめるのは、なかなかクレイジーな男である。

 

原作を一ミリも読んでいないので想像でしかないけれど、追いかけてきたツダケンをラファウが返り討ちにする未来が、私には少しだけ見えている。でもやっぱり子どもな一面もあった。残虐拷問師と戦っていけるのだろうか。

 

ラファウを子どもだと感じたのは、ラファウが大学に行くことになったとき。

学校の先生をしている養父が「大学ではなにを学ぶ?」とラファウに聞いた。これまでの教育方針上、正解は「神学について学びます!」である。

しかし、異端者と出会い、禁忌の思想に触れ、天文を学ぶぞ!と決意したラファウ。養父からまた「大学では何を学ぶ?」と聞かれたときに「天文について学びます」と、馬鹿正直に答えてしまったのだ。

その結果、「神学を学ばないのなら大学には行かせない」のひと悶着があり、天文について学ぶ発言を撤回させられていた。

火に足は突っ込むし、間違いと分かっていても自分の本心を発言してしまう、情熱のまま突っ走る子どもラファウは確かに存在する。どうツダケンと戦っていくのかが楽しみであり、ハラハラさせられるだろう。

 

今のところ、ラファウは一人だけど、大学で協力者を得て研究を進めて、協力者がツダケンをやっちゃうと予想している。

協力者はたぶん、ずっと一人でひっそり研究していたおじいちゃん。何かしらでラファウの存在を知ったおじいちゃんが、自分のこれまでの研究成果をラファウに託して、邪魔な人間を殺して自分も一緒に死ぬと思う。

このおじいちゃんが実はラファウの実父、っていうのはやりすぎな気がするからその線はないだろうな。ラファウに心を動かされた見知らぬおじいちゃんだと思う。

 

これが合っていたら、私のことを褒め称えてほしい。拍手喝采の準備もよろしくお願いします。

と、思うがままに書いてしまったのでアニメレビューから外れたけれど、マジでガチでおもろいのでこれは最後まで絶対に見る。ちょっと小難しいアニメが好きな人は絶対に好き。見た方がいい。見な。

チ。三話目 ネタバレありの感想

いや。どない。どうした。

三話目にして主人公が死んだ。前述していたラファウvsノルヴァン(ノルヴァン??)の戦いが長い間行われると思っていたのに。もう死んだ。もう死んだけど、負けてないねこれは。

ラファウは死んだけど書物も残った。自分の死を持っての言葉、地動説を信じていることにあてられた人の知性と好奇心とちょっとの感動を刺激することで、誰かが研究を続けてくれる。か〜〜〜〜〜〜〜。

ラファウの頭脳が失われたのは惜しすぎるけれど、ラファウの死によって数人でも数十人でも、誰かの心に残っていたらその人たちの集合知が地動説を証明するのかもしれないね……地動説の地。知性の知…?

面白すぎる。ノルヴァンも地動説証明チームに入っちゃえばいいのにね。

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