幼稚園に入る少し前くらいかな。両親が離婚した。私の人生の中の最初の記憶は、離婚した母についていくための引っ越しの日だ。
たぶん春になる少し前くらい、少し肌寒い風が吹いていた。ちょうど今の時期くらいな気がする。
引越し準備の最中に外ですっ転んで、膝に怪我をしたけどそのまま体育座りをして、叔母がもっていたワープロをぱちぱちして遊んでいた。気がする。
、、、がんばって不幸っぽいことを書こうと思ったけど、これが限界。私の人生の中で「不幸」だと思えることは一度もなかった。

でも、最近よく見るエッセイって「誰が一番不幸かコンテスト」になってるから、私も参加しようと思ってみんなが好きそうな不幸っぽいものを思い返した。これしかなかった。
これしかなかったし、みんなが求めていて読んでもらえそうな不幸を引っ張ってきただけで、実際は何も不幸だと思っていない。当時も別に思ってなかったんじゃないかな。不幸じゃなかったし。
とか言ってたら本物のエッセイ不幸ニストの人から「あなたはお母様に恵まれていたんですね……ナミダホロリ」みたいなコメント来ちゃうかな。笑っちゃうな。

別に彼氏からDV受けてたとかもないし、父親がアル中だったとかも聞いたことないから暴力関係は未経験。
中学のとき、いじめっぽいものはあったけどたぶん2人に1人は経験してたんじゃない?って感じで、「なんで私!?」とはなったけど、別に不幸だとは思わなかったしな。みんなそうだったし。
大学行かなかったのも別に家庭環境のせいではないし、まあ選べる環境ではなかったっていうのはあるけど、それでも「不幸……」とはならなかった。
過去の不幸な出来事は思い浮かばなかったし、現在も特に不幸じゃない。
親はまだ死んでないし、産んだ子がすぐに亡くなったこともないし、婚約破棄されたこともないし、壮絶ないじめにあったわけでもない。
というか、もしそういうことがあっても、自分でネタにしようとは思わない。気持ちをスッキリさせるために書く気はするんだけどね。でも、「読み物」として人に消費させたくはないね。
別に不幸ネタを書いてる人が悪い!ってわけじゃないよ、ただ私とは価値観が合わないなあというだけで。書きたきゃ書けばいい。世間もそれを求めてる。ただ私は好きじゃない、というだけの話でした。

消費されてもいい不幸ネタを今、ふたつ思いついた。
ひとつめは、両目の視力が違うから、人よりコンタクトレンズを多く買わなきゃいけないこと。
ふたつめは、小さい頃から歯並びが悪かったけど矯正してもらえなかったこと。
どう?